【初心者向け】ZOIA ディレイエフェクトを用いたアンビエントパッチの作成手順
初心者の方でも安心して取り組める内容です。
今回も図解付きで丁寧に解説していきますので、初心者の方も安心して取り組めるのでご安心ください。
ピッチシフターとは?仕組みと役割
原音に対して音を付与することで、音に厚みや広がりを与えるエフェクトです。
例えば「ド」の音に対してオクターブ上の「ド」を重ねることで、幻想的な響きが生まれます。
補足:ピッチシフターは、Delayと組み合わせることでアンビエントな空間演出に最適です。
それでは、図解付きで説明していきますので、一緒に手を動かしながらやっていきましょう!
また、最後には、ZOIA で作成できるパッチやネットに公開されているパッチのインストール方法についても解説記事をまとめておりますので、合わせてご覧ください。
【図解付き】Delay+Pitch Shifter アンビエントパッチを作ってみよう!
ステップ1:基本の入出力を配置
まずは空のパッチを作りましょう。
- ZOIAの左上ロータリーノブ(銀色)を回すことで、空きプリセットを選択
- プリセット番号は「60番以降」がおすすめ。
※初期プリセット(0〜59)を上書きしないためです。また今回は先に使用するモジュールを先に図解で紹介します。
以下の図解を参考にモジュールを設定していきましょう。
ステップ2:Input モジュールを追加
音の入り口を作ります。
空のグリッドで好きな場所のボタンを押して、ロータリーノブを用いて
[interface modules] – [Audio input] を 選択します。
[channels] – [left] を選択し、[Done?] を押して配置します。
これで、ギターやシンセなどの音がZOIAに入る準備が整いました。
ステップ3:ディレイ モジュールを 2 つ配置
次に、ディレイモジュールを2つ配置します。
[Audio modules] – [Delay Line] を選択して配置。
※ 特に詳細設定は変更しなくてOKです。
カラーなどはお好みでお選びください。
このモジュールを2つ配置することで、
原音のディレイとピッチシフトさせたディレイ音をそれぞれ出力することができます。
ステップ4:SV Filter モジュールを配置
続いて、ディレイ音のローパス(Low Pass) するためのモジュールを配置します。
[Audio modules] – [SV Filter] を選択。
LowPass Output : ”ON” を選びます(初期値ではONになっておりますが念の為確認ください。)
SV Filter とは?
SV Filter(State Variable Filter)は、音の周波数帯域を選択的に通すことで、音の質感や雰囲気を調整できるフィルターモジュールです。
ZOIAでは、以下の3つの出力タイプを選ぶことができます:
- Low Pass(ローパス):高音をカットして、低音だけを通す
- High Pass(ハイパス):低音をカットして、高音だけを通す
- Band Pass(バンドパス):特定の帯域だけを通す
今回のパッチでは、Low Pass を使用することで、ディレイ音の高音を抑え、柔らかく包み込むような響きを作り出します。
これは、アンビエントサウンドにおいて「空気感」や「奥行き」を演出するのに非常に効果的です。
ステップ5:Pitch Shifter モジュールを配置
ここでは、入力された音の音程(ピッチ)を変化させるモジュールを追加します。
[Audio modules] – [Pitch Shifter]を選択し配置します。
特に詳細設定は不要ですが、後で「Pitch Shift(変化量)」を調整することで、音の印象が大きく変わります。
Pitch Shifter とは?
Pitch Shifterは、原音の高さを上下にずらすことで、
音に厚みや幻想的な広がりを加えるエフェクトです。
例えば:
- オクターブ上に設定すると、キラキラした浮遊感のある音に
- オクターブ下に設定すると、深みのある重厚な響きに
アンビエントパッチでは、
原音とピッチシフト音を重ねることで、空間に漂うようなサウンドを作ることができます。
使い方のコツ
- Shift Amountは「+12」でオクターブ上、「-12」でオクターブ下になります。
- Delayと組み合わせることで、時間差で広がる音の層を作ることができます。
- SV Filterと併用すれば、ピッチシフトされた音の高音を抑えて、より柔らかい印象になります。
ステップ6:Audio Balanceモジュールを配置
続いて、[Audio modules] – [Audio Balance]を選択。
※ この時とくに詳細設定は変更しなくてOKです。(output:mono で問題ありません。)
ギターの原音(Dry)とディレイ音(Wet)のバランスを調整するために使用します。
ステップ7:Outputモジュールを追加
最後に音の出口を作ります。
[interface modules] – [Audio output] 選択。
[channels] – [left] を選び、[Done?] を押して配置。
これで、音が外に出るようになります。
接続順と補足
これまで配置したモジュールを、以下のように接続していきます。
また、合わせて入力音量の設定もします。
- Audio input L → Delay Line Audio In と (もう1つの)Delay Line Audio In と Audio Balance Audio In 1
- Delay Line Audio Out → SV Filter Audio In
- SV Filter LowPass Output → Delay Line Audio In と Audio Balance Audio In 1
- (もう1つの)Delay Line Audio Out → Pitch Shifter Audio In
- Pitch Shifter Audio Out → (もう1つの)Delay Line Audio In と Audio Balance Audio In 2
- Audio Balance Audio Out → Audio output L
ギターの音がZOIAに入り、まずは2つのディレイモジュールへ分岐します。
1つは原音の残響用、もう1つはピッチシフト用の準備です。
同時に、原音はAudio Balanceにも送られ、最終的なミックスに備えます。
原音のディレイ音はSV Filterへ送られ、高音を抑えた柔らかい残響に変化します。
その後、再びDelayへ戻して残響を重ねつつ、Audio Balanceへ送ってミックスされます。
それを再びDelayへ戻して、さらに空間的な広がりを加えたあと、Audio Balanceへ送ってミックスされます。Dry(原音)とWet(エフェクト音)のバランスが整えられた音が、最終的に出力されます。
ここで、あなたのアンビエントサウンドが完成します!
⚠️ 注意点とトラブル回避
-
Feedback を 大きい数値に設定すると**発振(暴走)する可能性があります。
-
エフェクト音の音量が大きすぎると、原音が埋もれることがあります。
-
設定変更時は必ずヘッドホンではなくスピーカー出力で確認すると安全です。
まとめ
今回のアンビエントパッチは、DelayとPitch Shifter、
そしてSV Filterを組み合わせることで、幻想的で奥行きのあるサウンド空間を作り出すことができました。
初めての方にとっては、少し複雑に感じたかもしれません。
でも、ひとつひとつ手順を追いながら進めたことで、
きっと「音が変化する楽しさ」や「自分だけの音を作る喜び」を感じられたと思います。
上手く
次は、今回のパッチをベースにして、
- ピッチシフトの設定を変えてみる
- ディレイタイムを設定値を調整してみる
- フィルターの種類を試してみる
- SV Filterを挿入する位置を変えてみる
→ Delayの前に置くと音がクリアに、後に置くと残響の質感が変わります。
など、自分だけのアレンジにも挑戦してみましょう!
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